プレゼント体験談
46歳女性 心まで温かくなった手袋の贈り物
私は、現在結婚して子供を育てている主婦です。
当時、まだ現在の夫と付き合っていたころ、素敵なプレゼントをもらった良い思い出があります。
それは、赤くて柔らかい革製の手袋です。
私の誕生日は、寒さが一番堪える12月。
東北の冬は、雪がたくさん降り寒くて足元も凍り付いていて通勤も一苦労です。
独身時代、私はバス通勤をしていたのですが、待っている時も寒くて大変。
そんな私を気遣って、彼が手袋を買ってくれたのです。
すっきりとしたデザインなので、手袋をしたままお金を支払ったりするのも楽。
それに、上品で私好みのつくりだったので、私は喜んで長く使わせてもらいました。
私がその時一番嬉しく思っていたこと。
それは、彼が手袋をくれたその理由にありました。
私はおせじにも高給取りではなく、肉体労働も多い仕事をしていたのですが、彼は反対に温かいオフィスで働く、どちらかと言えば恵まれた環境で働く社員でした。
私は、心のどこかで彼から下に見られているのではないかと感じていたのですが、赤い手袋を彼からもらった時、彼から私の仕事を肯定されたような気がしてすごくうれしかったのです。
その後結婚して退職、引越し、20年近く経ちます。
今でも、当時もらった赤い手袋は良い状態。
たぶん、とても良いものをプレゼントしてくれたのでしょう。
少々太り、指も太くなりましたが、今でも出かけるときはこの赤い手袋を使っています。
そして、時々思い出すのです。
雪道の中をペンギンのように歩きながら通勤していたころ、彼がいてくれたことだけが、私を強くしてくれていたということを。
夫から、そんな古い手袋なんか捨ててしまえと言われますが、これだけは捨てられません。
会社で怒られてバスを待つ帰宅時間。
雪で真っ白の中、両手に目をやれば、上品な手袋。
それが、どれだけ私を勇気づけてくれたことか。
もし、あなたが大切な方に何かプレゼントする予定があるなら、相手の仕事を肯定していると伝えられるようなものがオススメです。